真の事業承継とは

税理士業界では事業承継ブームです。

セミナーもたくさんありますし、Web広告も実に多い。

売れっ子になったイケメン税理士も増えました。

ま、それはそれでブルーオーシャンであって、ニーズは捉えているのだと思います。

中核は相続税の節税、ということだと思います。

 

こういう事業承継は、いわば技術論であり、最後の最後で頑張るところですが

私は本当に大事な事業承継は、その前段階だと信じています。

 

まず、企業に一本背骨を通す。

自分たちは何のための企業か、ミッション、バリュー、ゴールを見定める。

そしてそれを役員含めスタッフに浸透させる営み。

これがなければ創業社長がいなくなると、継続が難しい。

 

あと、売り手市場の時代、有能な社員に長く勤めてもらうためには

給与制度を整えないといけない。抜本的にやる気の出る給与制度にする。

 

財務も大事だ。

キャッシュを増やす経営をしなければならない。キャッシュがない企業は

倒産リスクが高いので、借入はダメではないが、しっかり、経営者が

貸借対照表から健康状態を把握していなければならない。

(ここは税理士の仕事なので、ぜひご相談ください)

 

後継者を育てることも必要。

後継者は、総じておとなしい小粒になってしまう。

私は後継者は小さくてもいいが事業を一つ立ち上げる経験をすべきだ。

その過程で資金調達、営業をどう処するか、経験を積むこと。

そうしなければ、親の敷いたレールの上を進むだけになり、

事業の持続性は弱まる。

 

もちろんリーダーシップも必要になる。

 

起業した人の多くは、税理士報酬を払いたがらない。

月次の記帳経理を持ってこない。決算申告の時、1回だけにしようとする。

それは間違いだ。

月次経理を税理士が担っていることが、銀行の信頼になる。

毎月経営数字を見ていないのに、良い経営はできない。

毎月見て、反省することが、次月の成長のエネルギーになる。

 

こういうことをしっかり頭に入れた経営者の会社は、おそらくは100年企業になるだろう。

 

経営に知恵を集めなければならない。私はそう思っています。

(了)